昔はSEOといえば、リンクでした。いかに自分のホームページに、外から沢山のリンクを付けるかが重要視されていました。
しかし、現在は違います。
Googleはそのホームページにあるコンテンツを重視するようになっています。
リンクにしても、外からのリンクではなく、ホームページに掲載しているコンテンツ同士のリンク。
つまりサイト内リンクを重視しています。
そして今一番力を入れるべきはホームページに優れたコンテンツを掲載する事なのです。
これを適切に行う事がコンテンツマーケティングに繋がります。
目次
そもそもコンテンツマーケティングとは?
自分のホームページにユーザーが興味を示し、結果につながるコンテンツを継続して掲載する。
これを実践する事をコンテンツマーケティングと言います。
企業で言えば、
自社のホームページに顧客が興味を示し、成約につながるコンテンツを継続して掲載する。
となります。
ここで重要なのは「興味を示し」の部分です。
直接的に商品をアピールしても効果は望めません。
それは顧客は「商品」に興味を持っていないからです。
「〇×チェアー」という椅子を売っている会社を例にすると、「〇×チェアー」で検索する人はあまり居ない。
椅子が欲しい人は「椅子」で検索しますね。
そう。指名買いするような一部の事例を除き、商品をアピールしても意味はないんだ。
商品の説明は販売ページでやればいい事。
コンテンツマーケティングでは違う事をするんだ。
どんな事をするんです?
この場合は「椅子」について様々なコンテンツを作るんだ。
椅子の歴史とか、使っている素材が特別な木ならその木のうんちくとかね。
椅子と椅子周辺の情報だけでなく、椅子を欲しいと思う人が気にする情報もいいね。
その椅子に合うテーブルやクッションとかの情報も見たくなりますね。
もっと大きくリフォームとかまで行ってもいいかもしれない。
それらのコンテンツを継続的に作って、掲載しつづけるようにしよう。
そうする事で、「椅子を買おうと思っている人」だけでなく「買う気はないけど椅子が古くて気になっている人」や「テーブルを買うついでに何か新しくしようかな、という程度の人」にまでリーチすることが出来るようになる。
これがコンテンツマーケティングの目的だ。
従来のマーケティング | 買いたい客(顕在顧客)を捕まえる |
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コンテンツマーケティング | 興味があるだけの人(潜在顧客)を育てて見込み客とし、最後には買いたくさせる(顕在化) |
極端な話、超合金を売るためにロボットアニメを企画し放送するのも、コンテンツマーケティングです。
存在していなかった需要を創出するのが理想ですね。
もちろん、中小企業がそんな金のかかる事は出来ません。
ですが、考え方は同じです。
ホームページに掲載したコンテンツでファンをつかみ、商品を買いたい人を増やす。
これを実現できれば、ベストですね。
ただ、コンテンツマーケティングのために記事を書く時、注意する点があります。
広く潜在顧客にリーチするためには広範囲な話題に絡ませるのが良いのですが、近年のGoogleの傾向ですと、あまり話題を広げすぎると評価が下がる危険があるので、そこの匙加減が難しくなっています。
狭いと潜在顧客にリーチできないし、広いとサイト全体の検索順位を下げられる。
十分な予算があればGoogleにリスティング広告を出して「経済力」を駆使して検索結果1ページ目に出せます……。
Googleによる検索エンジンシェアの独占状態は経済力が乏しい中小企業には好ましくない情勢ですね。
1.Googleが量よりも質で評価するようになった
コンテンツマーケティング自体は数年前から提唱されていましたが、最近はその重要性が増しています。
以前は検索ワードを単なる文字の集まり(文字列)としてGoogleは処理していましたが、近年アップデートが進み、人工知能を使って「文章」として理解するようになりました。
その結果、言語として意味の通じない内容(自動生成ツールとかで作った文章)のページは「品質が低い」と判断され評価を下げられるようになりました。
ちゃんとしたページであっても、内容が薄いと「品質が低い」と判断されてしまいます。
内容が濃いページが「品質が高い」ページであり、それにGoogleは高い評価を与えるのです。
つまり、自分のホームページに内容が濃いページを多数掲載する事が、検索に良い影響を与えることになります。
ただし、「内容が濃い」と「内容が多い」は別です。
いたずらに文字数を増やせば良いわけではありません。
椅子の話なら、椅子の話題やその周辺の話題だけで固めなければいけません。
前後に雑談を混ぜて「文字数水増し」しても、効果は無いばかりか、逆効果となるでしょう。
また、継続のためには多数の記事を書かねばなりませんが、ネタ切れしたからと、本題と無関係な内容を書くのもNGです。
そしてもう一つ注意点があります。
現時点ではGoogleの人工知能も発展途上です。
専門家(販売者・製作者)や興味を持っている人(潜在顧客)にとっては「興味を引く内容」「重要な内容」でも、Googleの人工知能は「無関係な雑談」と判断する可能性があるのです。
誰もが検索するような「ビッグワード」なら、人工知能も学習精度が高くなって判断を間違う事は少ないかもしれませんが、中小企業が得意なニッチな商品だと、関連する話題なのにサンプル数不足で「雑談扱い」されてしまう可能性はまだまだありうるでしょう。
競争の無い検索エンジンの世界では進化スピードはGoogleの胸先三寸。
しばらくは真面目に狙ったキーワードからあまり離れない話題で文章を作りましょう。
どうやって「離れない話題」を見つければいいんですか?
共起語って知ってる?
初めて聞きました。
検索のとき、複数の言葉を入れる事ってあるよね。
「ランチ 新宿」とかですか?
そう、それ。
その場合、「ランチ」の共起語が「新宿」というか地名だね。
なるほど
コンテンツマーケティングでは、この共起語を話題に入れて文章を書くようにすると良いよ。
どうすれば共起語をしらべられます?
専用のツールやサービスもあるけど、一番簡単なのはGoogleやyahooで検索文字を入れるとき、下に候補が出てくるじゃん。
これを使うと早いよ。
「カメラ 4k」なら「iphone」、「動画」、「60p」、「小型」。
なるほど。簡単ですね。
これはそういう検索をしている人が多い事を示しているんだ。
気を付けないと、みんなが検索しているものだけじゃなく、普段自分が繰り返し検索しているものも混ざってくるけど、それは自分でわかるよね。
慣れてきたら、共起語を探すツールとかを探して使ってみよう。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングはいくつものメリットがある施策です。
是非取り組むようにしましょう。
1.Googleからの評価がアップする
本来はユーザー(企業の場合は顧客ですね)のために、包括的に情報を提供するべく制作するコンテンツが、検索にも良い影響を与える。
これもコンテンツマーケティングのメリットです。一石二鳥ですね。
良質な記事を多数持つサイトに成長すれば、そのコンテンツ掲載ページだけでなく、サイト全体でGoogleからの評価がアップします。
記事のページだけが検索上位に行って、トップページは全然出てこない。
なんて事にはならないんですよね。
そこは心配しなくていいと思うよ。
なお、Googleからの評価は何もしないでいると、下がってしまいます。
高い状態に維持するには、新しい良質な記事を載せ続けることが必要です。
このため、コンテンツマーケティングをマラソンに例える人もいます。
コンテンツの掲載は1回や2回で終わるものではなく、ずっと続けるものなのです。
そういう意味では、超長文を書きあげたら、それをそのまま掲載するのではなく、何回かに分割して掲載した方が効果的です。
また、毎日更新するのが理想ですが、それでは専任のライターが必要になってしまいかねませんし、ネタ切れも心配になりますよね。
適当な間隔を空けて掲載しましょう。
最初のうちは1か月に一記事で構いません。
慣れたら2週間に一記事のように間隔を狭くしたり、分割したときは頻度を上げて2・3日おきになど、状況を見て進めましょう。
2.Web広告のように費用がかからない
Web広告は費用が掛かりますね。
その効果は資金力に比例するため、中小企業にとっては簡単には使えません。
ですが、コンテンツマーケティングはホームページを運営している方が、ご自身で出来る手法です。
何かの有料サービスに課金したり、高額なツール等を購入する必要はありません。
どこにも依頼しなければ、無料です。
そしてそのコンテンツの文章は、その道の専門家であるご自身が書ける。
いや、最も良い文章を書ける題材ではないでしょうか。
「小学校では作文が苦手だった」
そんな方でも、大丈夫。
苦手だったのは作文ではなく「指定された題材・話題についての作文」ですよね。
興味のない本を読まされて読書感想文を書く。
それなら、うまく書けなくて当たり前です。
でも、ご自身のビジネスに関する話なら、いくらでも筆が進むのではないでしょうか。
「お父さんの話長すぎ」
良いんです、長すぎで良いんです。
貴方だけが書ける「専門的で濃い長文」を書いて、ホームページに掲載しましょう。
3.拡散され被リンクがもらいやすくなる
美味しい店を見つけたらどうする?
友達に紹介します。一緒に行きたいですし。
そうだね、じゃあwebで良い情報を見つけたらどうする?
友達に紹介します。良い情報はみんなで共有しないと。
どうやって紹介する?
SNSとかでやると思います。
そうだね。
これを拡散って呼ぶけど、同じことが「品質が高い」ページにも言えるよね。
良い情報を見つけたら、人に教えたくなる。
これもコンテンツマーケティングの効果の一つだ。
コンテンツマーケティングのために質の高い記事を書いていると、それが拡散されて被リンクをもらえる事があります。
外部からのリンクの価値が下がっていますが、それは多くのリンクが「品質が低い」ページからのリンクなためです。
「品質が低い」ページからのリンクは「人工的な(SEO的な)リンク」とみなされ、最悪マイナスに作用します。
しかし、自然な被リンク(ナチュラルリンク)はプラスになります。
もちろん、拡散によって検索とは別の入口が増える事は、大いに価値のある事です。
「お客がお客を連れてくる」を実現できれば、ビジネスにとって大いなる貢献となるでしょう。
Googleのアップデートに一喜一憂しなくても、SNSなどの口コミからのアクセスだけでお客を確保できれば理想的ですね。
コンテンツマーケティングにおける顧客の最終形態は「ファン」であり「リピーター」であり、時には自分たちの代わりに宣伝までしてくれる「ロイヤルカスタマー」です。
そのためにも「人に教えたくなる記事」を書く事を目標にしましょう。
「コンテンツマーケティングとは」のまとめ
- ・顧客が読みたくなる記事(コンテンツ)を作成して掲載する行為をコンテンツマーケティングと言う
- ・共起語を調べて記事を書く
- ・記事の掲載は1回2回で終わるのではなく、ずっと続けるもの
- ・Googleからの評価が上がり、記事以外のページにも効果が広がる
- ・費用をかけずに行える
- ・自然な被リンクが増えたり、拡散による効果が期待できる
コンテンツマーケティングを実施するには、ワードプレスなどの自身で記事を投稿できるCMSを使ったホームページにすることが必要です。
もし、今のホームページが自分では記事を追加できないタイプ(静的)のホームページの場合は、先にホームページ制作会社にワードプレスを使ったホームページへのリニューアルを依頼する事を検討すると良いでしょう。
今契約されているホームページ制作会社でリニューアルが難しい場合、ディーエーオーでリニューアルをお受けできる事もございます。
検討される場合はお問い合わせください。
コンテンツマーケティングは検索対策と顧客向けサービス提供を一度に行える一石二鳥の施策です。
効果に即効性はありませんが、継続は力です。
コンテンツマーケティングを継続して進める事で、ライバルのホームページとの差別化が進み、オンリーワンのホームページとして顧客や潜在顧客に知られる様になる事を目指しましょう。