ホームページを作るときもそうですが、どんなプロジェクトでも予算は重要です。
一番重要かどうかはともかく、予算について軽視している組織は無いでしょう。
となると、最も低予算なのはゼロ円。つまり無料ですね。
世の中には沢山の無料サービスがありますが、実はホームページも無料で作る事が可能です。
でも、「安物買いの銭失い」なんて言葉があります。
無料は究極の安物ですね。
無料でのホームページ制作という方法を選んでよいのでしょうか?
目次
ホームページは無料で作れるが逆に集客できない可能性あり
ホームページは何のために作りますか?
色々目的はあると思いますが、企業の場合「集客」を念頭に制作する事が一般的だと思います。
ですが、無料のホームページでは、その集客がうまく行かない可能性が大きいのです。
1.アメブロやFC2などは無意味な広告が表示される
無料のホームページはどうやって制作すれば良いでしょうか。
有名人もよく使っているアメブロで有名なアメーバにも、無料ホームページのサービスがあります。
(アメーバブログ自体はブログサービスで、これでホームページは作れません)
無料ホームページのサービスでは名の知れたFC2も、聞いた事があるかもしれません。
ですが、これらの無料ホームページでは、広告が表示されます。
FC2の場合はスマートフォンでの閲覧時のみですが、今やアクセスの半数以上がスマートフォンからです。
アメーバの無料ホームページでは、有料プランに移行すると広告は出なくなります。
自社とは無関係な広告がホームページ内にあるのは、良くありません。
- ・「みっともない」「恰好悪い」という感覚的なもの
- ・手抜き感が感じられ、低予算がばれてしまって悪印象
- ・ネットに詳しくない顧客に、広告先と何か提携関係にあるといった要らぬ勘違いを与える可能性
- ・ライバル会社の広告が出て事業にとってマイナスになる可能性
- ・サービス運営元に何か色がついていると、企業イメージに影響してしまう※
※広告の中にはサービス運営元の広告もあります。
FC2の場合、動画関連の影響でアダルト系のイメージを持つ方もいます
この事を考えると、無料でホームページ制作するのはお勧めできません。
2.サービスが終わればサイトごと消えてしまう
無料ホームページサービスはいつサービスが終わるか判りません。
どんなサービスもボランティアで行われている訳ではありませんから、収益が良くなければ終わりを迎えます。
過去にはメジャーな所でも以下のような終了事例があります。
2010年11月1日 infoseek isweb終了
2019年3月31日 Yahoo!ジオシティーズ終了
infoseek iswebについては、複数の他社サービスを吸収した末の事ですし、Yahoo!ジオシティーズは22年もの長きにわたって続けられていたサービスでした。
そしてサービスが終われば、ホームページは無くなってしまいます。
苦労して作成したホームページがサイトごと消えてしまうのです。
個人レベルなら「悲しい」「残念だ」で済む話でも、ビジネスでは死活問題です。
たとえ別のサービスでホームページを再立ち上げしても、アドレスも変わってしまい集客上は大きなマイナスです。
この事を考えると、無料ホームページサービスの利用はお勧めできません。
3.同業他社と比べても手抜き感が大いに伝わる
無料サービスではどうやってホームページを制作するのでしょうか。
無料ホームページサービスの運営元に依頼して作ってもらう訳ではありません。
実は自分で作ります。
そう聞くと、「そんな事出来ないよ」と思う方も多いと思います。
ですが、問題はそこではありません。
無料ホームページサービスでは、初めてホームページを作る方でもホームページが作れるような仕組みを用意しています。
デザインを選んで、パーツを設定して、文章を入れれば、あら不思議。
これだけの操作でホームページが出来上がっています。
簡単です。
ホームページ制作会社の人間だから簡単だと言っているのではなく、大抵の方は「簡単だ」という感想を持つと思います。
ですが簡単なだけに、どこかで見たようなホームページになってしまいます。
操作が簡単なので、出来上がるホームページも簡単な造りです。
手抜き感が漂うホームページになりますね。
これでは同業他社との競争には勝てそうにありません。
何のためにホームページを作ったか判りませんね。
この事を考えると、無料でホームページ制作するのはお勧めできません。
4.SEO対策ができないので結局検索順位すら表示されない
ホームページは作れば終わりではありません。
顧客や潜在顧客に見てもらわなければ、その使命は果たせません。
作っただけで放置していては、見てもらう事は出来ません。
SEO対策が必要です。
え?検索してもらえば見てもらえるじゃないですか。
会社名なら同じ名前の会社はあまり無いから、検索結果も上の方に出るんじゃないですか?
それがそうとも限らないんだ。
検索エンジンはホームページ情報収集専用のロボット(クローラ)を使ってホームページをデータベースに登録します。
クローラはどこからかリンクされているホームページしか見つける事は出来ません。
SEO対策を行っていないホームページはクローラが来ないので、検索エンジンに登録されません。
新着ホームページ一覧のような機能で一時的に無料サービスの提供元からリンクされる事があっても、そのタイミングでクローラが来なければ、見つかりません。
世の中には検索エンジンでの検索順位を調べるツールがありますが、登録されていないページは結果に出てきません。
つまり、特徴的な会社名だったとして、その名前で検索しても検索上位に出るどころか、検索結果自体無いという事になるのです。
もちろん、そういった無料ホームページでも、自力でSEO対策が可能であれば、なんとかなる可能性はありますが、初めてホームページを作る方には荷が重いと思います。
この事を考えると、無料でホームページ制作するのはお勧めできません。
5.誰もサポートしてくれないので自分で調査しないといけない
無料サービスでホームページを作る事自体は簡単ですが、すぐに色々な「壁」にぶつかると思います。
最初はトップページが一つあるだけで「出来た!」と感動していても、アレが必要、コレを入れたいと色々と追加をする事になるでしょう。
ホームページを作る事自体が目的なら、「出来る事」から少しずついろんな機能を勉強して行けばいいかもしれませんが、会社のホームページを作る場合はそうも言ってはいられません。
「沿革」を入れたいから表を作りたい。
「アクセス」のページにグーグルの地図を入れたい。
「代表挨拶」に社長の写真を出さなきゃ。
「お問い合わせ」で担当にメールが届くようにしないと。
難易度や習熟度に関係なく、次々と「しなければいけない事」が湧いてきます。
それをすべて自分で解決しなければいけないのです。
制作会社に依頼した場合は、資料を渡してやってもらう事を、全部自分でやる必要があるのです。
いくらカンタン操作の無料サービスでも、不慣れな方が言われてすぐに出来る事ではありません。
熾烈な競争を生き残ってきた無料サービスは高機能ですから、機能を覚えるのも一苦労です。
頼りになるのはヘルプのみ。
ヘルプで判らない事は自分で検索して調査しないといけません。
貴方が「ホームページ専任担当」で他に業務が無いのであればまだしも、日常業務の合間にホームページを作るという場合は残業残業また残業という事に……。
たとえ専任でも、「ホームページはまだか」「専任なんだからすぐ出来るだろ」と周りからの目は厳しいかもしれません。
個人事業主の方が自身でホームページを作る場合など、ホームページ制作に悪戦苦闘している間は本業がストップしてしまいます。
それはまさに機会損失です。
ビジネスで使うホームページが、あちこち「工事中(作りかけ)」のまま更新が止まっていては、会社の信用にも関わります。
この事を考えると、無料でホームページ制作するのはお勧めできません。
ホームページ制作は無料ではなくしっかり有料で対応しよう
実はホームページ制作では、「やってはいけない事」「やっておく必要のある事」といったお約束が少なからずあります。
無料サービスでは、そのうちのいくつかは自動的にやってくれますが、やってくれない事や、せっかくやってくれる機能があるのに、機能を使いこなせないために台無しにしてしまう事があります。
一つ例を挙げましょう。
問い合わせメールを受け取るために、ホームページの中にメールアドレスを直接書き込んでしまったらどうなるでしょう。
リンクが無ければ、クリックしてもメールは送れないため、使い勝手は良くありません。
自動的にリンクされる機能があれば、メールソフトからメールを送れるので、なんとか実用にはなりそうです。
ですが、運用しはじめてからしばらく経つと、スパムメールがわんさか届くようになるでしょう。
ホームページにメールアドレスをそのまま記載するのは、「やってはいけない事」なのです。
問い合わせメールを受け取るのであれば、問い合わせフォームを設置して受け取るのが適切な方法です。
(無料サービスにその機能があるとは限りませんし、あっても使い方が理解できなければ、使えません)
こういった事は、専門家であれば周知されている事ですが、一般の方では知らない事も多く、知らず知らずのうちに、問題のあるホームページになってしまう事も少なくありません。
無料ホームページのサービスは
「無料でホームページが『作れる』サービス」
です。
「無料でホームページを『作ってくれる』サービス」
ではありません。
そもそも、ホームページの専門家でもない方が、本業を疎かにしてホームページ制作に時間をかける事自体、会社の業績に悪影響ではないでしょうか。
集客という観点からも問題が多く、価値がゼロどころか、総合的にはマイナスになる可能性すらあります。
ホームページを制作するなら無料ではなく、しっかり有料のホームページ制作会社へ依頼するのが妥当でしょう。
ホームページ制作の無料まとめ
無料ホームページをビジネス用途で使おうとすると、いくつも問題があります。
- ・余計な広告が表示される。
- ・ホームページが消えてしまうリスクがある。
- ・ライバルに勝てない。
- ・検索順位が低い。下手をすると検索しても全く出てこない。
- ・うまく行かなかったり、そもそもどうすれば良いか判らない時、自分で調べないといけない。
これらの問題は集客に悪影響を与えたり、対応のために本業がストップする事態を招きかねません。
まさしく「安物買いの銭失い」です。
ビジネス用途のホームページを、無料で作ろうとしてはいけません。
関連情報
無料サービスでは駄目なのか